青春アドベンチャー評論

NHK-FMラジオで放送中のラジオドラマ番組 青春アドベンチャーの作品レビュー。リンクフリーです。

■青春離婚

放送:2017年3月27日(月)~3月31日(金)
作品紹介:入学した高校で佐古野郁美(さこのいくみ)と佐古野灯馬(さこのとうま)は、同じクラスになる。「夫婦」と呼ばれ、からかわれる彼らだが、そんなからかいに反発せず、のっかることを選択する。そして、いつしか二人はある「秘密」を共有し、共同作業を始めるのだが…


人を好きになっていく過程や、嫉妬や不安。恋愛にまつわる要素は昔から変わらないものである。しかし、ほんの10年前までは、無かったものがその媒体となって話が進む。ITやSNSの浸透の速さには目を見張る物がある。あるアプリを介して、2つの話がリンクするプロットもなかなか面白い。最近の恋愛話だなぁと思わせる作品である。

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■1492年のマリア

放送:2016年6月27日(月)~7月8日(金)
作品紹介:
舞台はスペイン、時は大航海時代。ユダヤ系の若き船乗りアロンソは、コロンブスと再開し、「未開」の地での布教活動に熱い志を抱く。しかし、時代はユダヤ人に対する風当たりが厳しくなり始めていた…。彼の最愛の女性マリアもまた、その激動の時代に翻弄されて行く。


大航海時代、大海原をゆく船乗りや海賊達の冒険を描いた爽快な作品は青春アドベンチャーの中でも多々あったが、この物語は、それらとは方向が違う。ユダヤ系にとっては、不合理な時代背景の中、翻弄される青年とその愛する彼女。悲劇度が高いが、ラストでの後日談が、ほんの少しだけ心を和らげてくれる。悲哀感たっぷりの悲しい物語。

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■双子島の秘密

放送:2015年9月21日(月)~10月2日(金)
作品紹介:
平安時代、源平合戦の時代に遡る歴史を持つ蓮花島(はすはなじま)と晴友島(はるともじま)の双子島。この2つの島をめぐる物語。ある目的を持ってこの島にやってきた者達と、この島に住む3人の中学生が、故郷を守るため対峙する物語。


平安時代に歴史を遡る2つの島に言葉巧みに近づいてくる明らかに怪しい人物。実に興味をそそる出だしである。劇中、場面が急に飛ぶような場面もあり、若干雑な部分も見受けられた。また、藪澤の秘書、鬼龍院さんの存在感の大きさにみあう説明がほしかった。と少々不満もあるが、ミステリー要素もあり物語として十分に楽しむことができた。

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■走れ歌鉄!

放送:2016年2月1日(月)~2月12日(金)
終戦間もない港町。戦争孤児のレン、シドウ、ソウタ、ソラの4人は、靴磨きをしながらその日暮らしを送っていた。そんなある日、東の都で行われる「少年少女歌合戦」の開催を知る。彼らの人生を変えられるほどの優勝賞金が出るという。今の暮らしから抜け出すため、戦争孤児の思いを伝えるため、彼らは、東の都を目指す。


伝説の機関士と子供達だけで列車を動かすという荒唐無稽な話ではあるが、戦後のどさくさ紛れの時だからこそ、まぁ有りかなと思えてしまう。物語はミュージカル仕立ての構成で、物語と共に音楽も楽しめた。彼らと共に列車の旅をしているように感じることができた。実際の戦争孤児達の生活は悲惨なものだったに違いないが、この物語の彼らの様に何か希望をもって生きていってくれていたらと願いたくなる。そんな作品である。

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■小袖日記

放送:2016年6月13日(月)~6月24日(金)
作品紹介:
紫式部のサポート役として、『源氏物語』の執筆を支えてきた女官・小袖。彼女の中に現代をいきる不倫に悩めるOLの私がひょんな事から時代を越え入ってしまう。かつて読んだ『源氏物語』の記憶を頼りに、物語を完成に導こうとする彼女の活躍を描いた作品。


あの『源氏物語』の隠された意外な真実(?)が楽しめる作品。源氏物語を読んでこの物語を聞くと面白さ倍増といった感じだろう。私も主人公同様うる覚え状態。それでも十分に楽しめた。平安の世、『源氏物語』に関わった上流階級の人々。そんな人々の日々の生活を垣間見た気持ちになれる作品である。

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