青春アドベンチャー評論

NHK-FMラジオで放送中のラジオドラマ番組 青春アドベンチャーの作品レビュー。リンクフリーです。

■砂漠の王子とタンムズの樹

放送:9月8日(月)~9月19日(金)
作品紹介:「黒の心」と「白の心」の対決を描いた作品。15歳になった王子のグー・タイニャスが「黒の心」に支配された砂漠の国「タンムズ」を変えていく姿を描いている。「黒の心」の象徴である「タンムズの樹」とは一体…。


王国の主となるべく受ける非情な試練へのグーの心の葛藤が見どころ。彼の行動に賛同し、彼に付き従う人々の様子にも注目といったところ。国家の豊かさとは、民の豊かさとはいったい?フィクションであるのだから、誇大に黒の心が表現されていると思うが、日本の隣国にもリアルに同じよう事が行われている国があると思うといたたまれない気持ちになる、そんな作品である。

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■文学少年と運命の書

放送:2016年11月14日(月)~11月25日(金)
作品紹介:中国は明の時代。本が大好きな阿恩(あおん)の元へ、不思議な少女、玉策(玉策)が現れる。彼女はなんと泰山のお寺に納められていた禄命簿「玉策」の化身だった。人々の天命を知り、その天命を変えることができる彼女をめぐり、様々な勢力が動き始める。


不思議な力を持った少女をめぐる冒険活劇といった趣の作品。山賊の常坤(じょうこん)、将軍劉壁(りゅうへき)、暗殺者白華(はくか)といった個性豊かな面々が奮闘する。玉策の言葉使いが独特で、なんだか真似したくなってしまう。彼女をめぐる争奪戦の結果がどうなるのか。そして、彼女の運命は…。そもそも、彼女は自分自身の運命はわからないのかな?とか考えてしまう、とても興味深い作品である。

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■光

放送:2016年10月31日(月)~11月11日(金)
作品紹介:小学生の子供たちが経験する様々な出来事が4年生の僕(ぎいち)の目を通じて語られる。光というタイトル通り、花火大会の光、蛍の光、洞窟の中の光、様々な光に彩られ物語は進み…。そして彼らは、大きな事件に巻き込まれていく。


子供の頃にあった出来事を思い出させてくれる作品。あの頃の夏休みや冬休みの出来事が色々と蘇ってきた。そして、ラストの言葉。主人公のあの言葉は、子供に贈られたものではなく、きっと30代~40代に向けられた言葉のように感じる。青春アドベンチャーのユーザー層は、10代~20代前半と思っていたが、意外とおじさんも聞いているかな。と思わせる作品である。

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■逢沢りく

放送:2016年5月2日(月)~5月13日(金)
作品紹介:14歳の中学生逢沢りくは、自分を俯瞰(ふかん)して見れる、ちょっとませた少女。人前で自由に涙を流し、うまく生きてきた。素敵なパパに、できたママ。一見完璧に見える彼女の家庭も実は、見かけと内情は全く違っている。そんな暮らしの中で心が擦り切れそうになった彼女を関西の親戚がしばらく預かることに…。


様々な事に要領よく対応し、そつなくこなしてはいるが、心の底では大きなひづみが広がっている。そんな様子が上手に表現され、こちらまで切なくなる。そして関西での暮らし。そこでの親戚や同級生との関わり合いの中で、少しづつ変わっていく彼女の様子がこの作品の見所。私も昔就職で大阪に数ヶ月住んでいたが、この物語同様で、優しくて、面白くて、おせっかいな人々と素晴らしい数ヶ月を過ごした。みんな元気だろうか…そんなことを思い起こさせてくれる作品である。

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■青春離婚

放送:2017年3月27日(月)~3月31日(金)
作品紹介:入学した高校で佐古野郁美(さこのいくみ)と佐古野灯馬(さこのとうま)は、同じクラスになる。「夫婦」と呼ばれ、からかわれる彼らだが、そんなからかいに反発せず、のっかることを選択する。そして、いつしか二人はある「秘密」を共有し、共同作業を始めるのだが…


人を好きになっていく過程や、嫉妬や不安。恋愛にまつわる要素は昔から変わらないものである。しかし、ほんの10年前までは、無かったものがその媒体となって話が進む。ITやSNSの浸透の速さには目を見張る物がある。あるアプリを介して、2つの話がリンクするプロットもなかなか面白い。最近の恋愛話だなぁと思わせる作品である。

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