青春アドベンチャー評論

NHK-FMラジオで放送中のラジオドラマ番組 青春アドベンチャーの作品レビュー。リンクフリーです。

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氷山の南

放送:2015年5月11日~5月29日
氷山を南氷洋からオーストラリアへ移動し、農業用水に利用するプロジェクト中のシンディバード号に密航者として忍び込んだ18歳のカイザワ・ジン。すぐに見つかるが、船に残る条件として、船内記者と厨房助手の仕事を与えられたジン。客観的な立場で、このプロジェクトの目撃者となった彼が紡ぐ物語。


少年から青年へと成長過程にある若者の青春グラフティ作品。テロリズム、宗教、文化、民族、世代、男女、環境破壊、資源枯渇、貨幣経済、貧富の差、宇宙、原子世界での世界の成り立ち。今の世界の構造や仕組み、成立ちを決して深くはないが、広く取り扱っている。これまでの世代が生み出してしまった様々な問題に向合い、その世界で生きていくことを受け入れた若者の姿が眩しくうつる。物語としてもミステリー要素もあり、謎解きも面白い。「人生は自分で切り開くもの」まさに青春アドベンチャーの名にふさわしいテーマを扱った作品である。

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翼はいつまでも

放送:2006年4月24日~5月5日
作品紹介:野球部員の神山久志は、補欠の玉拾い。いまいち自分の殻を破れない彼だが、ある日、ラジオから流れるビートルズの「プリーズ・プリーズ・ミー」を聞いた。その瞬間から彼のすべては変わった。ビートルズの曲に導かれ久志の青春グラフティーが始まる。

ビートルズサウンドが非常に心地よい作品。理不尽な大人達の価値観に対する反発、自分達の価値観を大切にしたいと訴える若者の気持ちが、痛烈に心に響く。私も若いころ大人に対して、持っていた感情を忘れ、いつしか大人側の事情の中で生きていることに気づかされた。聞く年代によって、印象が変わる作品ではあるが、私の心には、かなり響いた作品である。




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家守綺譚

放送:2005年2月28日~3月11日
作品紹介:時代は、およそ百年前。売れない作家・綿貫(わたぬき)は、湖で行方不明になった親友高堂(こうどう)の父親に乞われ、高堂家の屋敷に家守として住むことに。ある日、家の掛け軸から死んだはずの高堂がボートに乗ってあらわれて・・・。自然や異界の者達との交流を通じ、いつしか高堂のことを作品に残したいと綿貫は考えるようになる。

非常にのんびり、ゆったりとした世界が広がる作品である。異界の者達となんの疑問もなく、ユーモラスに交流を深める綿貫。彼の飄々(ひょうひょう)とした雰囲気もこの世界観を構成する重要なパーツとなっている。物語に起伏があるわけではなく、淡々と日々が過ぎていくが、とても心地よく、心に染み渡る日常である。劇中、高堂によっても語られるが、この百年で現代人が手に入れたもの、失ったもの、本当に人は幸福になっているのか・・・。我々の未来を考えさせられるよい作品である。




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悲しみの時計少女

放送:2007年9月17日~9月28日
作品紹介:時計中毒患者である私は、別れた「彼」と喫茶店で待ち合わせをした。しかし、そこに現れた「彼」は私の知らない男だった。さらに「彼」がつれてきた新しい彼女は、時計の顔をした「時計少女」だった。鎌倉の「時計屋敷」に住んでいるという「時計少女」。時計中毒患者である私は「時計屋敷」に強く魅かれ、二人につれられて時計屋敷を訪ねることに・・・

冒頭に語られる"時計中毒患者"という意味が分かるようで意味不明な表現や喫茶店での見知らぬ「彼」「時計少女」とのやりとりで、ぐいっと心を掴まれてしまった。ハト時計の森・草原の一軒家・街の時計店とミステリアスな世界へとぐいぐい引き込まれてしまう。各エピソードの根底には、恐怖・狂気が見え隠れしている。その正体は、一体何なのか・・・そして、遂に辿り着いた時計屋敷で狂気は頂点に達する。そして、語られる衝撃の真実。何度でも聞きたい、すばらしい作品である。




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