青春アドベンチャー評論

NHK-FMラジオで放送中のラジオドラマ番組 青春アドベンチャーの作品レビュー。リンクフリーです。

■文学少年と運命の書

放送:2016年11月14日(月)~11月25日(金)
作品紹介:中国は明の時代。本が大好きな阿恩(あおん)の元へ、不思議な少女、玉策(玉策)が現れる。彼女はなんと泰山のお寺に納められていた禄命簿「玉策」の化身だった。人々の天命を知り、その天命を変えることができる彼女をめぐり、様々な勢力が動き始める。


不思議な力を持った少女をめぐる冒険活劇といった趣の作品。山賊の常坤(じょうこん)、将軍劉壁(りゅうへき)、暗殺者白華(はくか)といった個性豊かな面々が奮闘する。玉策の言葉使いが独特で、なんだか真似したくなってしまう。彼女をめぐる争奪戦の結果がどうなるのか。そして、彼女の運命は…。そもそも、彼女は自分自身の運命はわからないのかな?とか考えてしまう、とても興味深い作品である。

PageTop

■光

放送:2016年10月31日(月)~11月11日(金)
作品紹介:小学生の子供たちが経験する様々な出来事が4年生の僕(ぎいち)の目を通じて語られる。光というタイトル通り、花火大会の光、蛍の光、洞窟の中の光、様々な光に彩られ物語は進み…。そして彼らは、大きな事件に巻き込まれていく。


子供の頃にあった出来事を思い出させてくれる作品。あの頃の夏休みや冬休みの出来事が色々と蘇ってきた。そして、ラストの言葉。主人公のあの言葉は、子供に贈られたものではなく、きっと30代~40代に向けられた言葉のように感じる。青春アドベンチャーのユーザー層は、10代~20代前半と思っていたが、意外とおじさんも聞いているかな。と思わせる作品である。

PageTop

■逢沢りく

放送:2016年5月2日(月)~5月13日(金)
作品紹介:14歳の中学生逢沢りくは、自分を俯瞰(ふかん)して見れる、ちょっとませた少女。人前で自由に涙を流し、うまく生きてきた。素敵なパパに、できたママ。一見完璧に見える彼女の家庭も実は、見かけと内情は全く違っている。そんな暮らしの中で心が擦り切れそうになった彼女を関西の親戚がしばらく預かることに…。


様々な事に要領よく対応し、そつなくこなしてはいるが、心の底では大きなひづみが広がっている。そんな様子が上手に表現され、こちらまで切なくなる。そして関西での暮らし。そこでの親戚や同級生との関わり合いの中で、少しづつ変わっていく彼女の様子がこの作品の見所。私も昔就職で大阪に数ヶ月住んでいたが、この物語同様で、優しくて、面白くて、おせっかいな人々と素晴らしい数ヶ月を過ごした。みんな元気だろうか…そんなことを思い起こさせてくれる作品である。

PageTop

■青春離婚

放送:2017年3月27日(月)~3月31日(金)
作品紹介:入学した高校で佐古野郁美(さこのいくみ)と佐古野灯馬(さこのとうま)は、同じクラスになる。「夫婦」と呼ばれ、からかわれる彼らだが、そんなからかいに反発せず、のっかることを選択する。そして、いつしか二人はある「秘密」を共有し、共同作業を始めるのだが…


人を好きになっていく過程や、嫉妬や不安。恋愛にまつわる要素は昔から変わらないものである。しかし、ほんの10年前までは、無かったものがその媒体となって話が進む。ITやSNSの浸透の速さには目を見張る物がある。あるアプリを介して、2つの話がリンクするプロットもなかなか面白い。最近の恋愛話だなぁと思わせる作品である。

PageTop

■走れ歌鉄!

放送:2016年2月1日(月)~2月12日(金)
終戦間もない港町。戦争孤児のレン、シドウ、ソウタ、ソラの4人は、靴磨きをしながらその日暮らしを送っていた。そんなある日、東の都で行われる「少年少女歌合戦」の開催を知る。彼らの人生を変えられるほどの優勝賞金が出るという。今の暮らしから抜け出すため、戦争孤児の思いを伝えるため、彼らは、東の都を目指す。


伝説の機関士と子供達だけで列車を動かすという荒唐無稽な話ではあるが、戦後のどさくさ紛れの時だからこそ、まぁ有りかなと思えてしまう。物語はミュージカル仕立ての構成で、物語と共に音楽も楽しめた。彼らと共に列車の旅をしているように感じることができた。実際の戦争孤児達の生活は悲惨なものだったに違いないが、この物語の彼らの様に何か希望をもって生きていってくれていたらと願いたくなる。そんな作品である。

PageTop