青春アドベンチャー評論

NHK-FMラジオで放送中のラジオドラマ番組 青春アドベンチャーの作品レビュー。リンクフリーです。

家守綺譚

放送:2005年2月28日~3月11日
作品紹介:時代は、およそ百年前。売れない作家・綿貫(わたぬき)は、湖で行方不明になった親友高堂(こうどう)の父親に乞われ、高堂家の屋敷に家守として住むことに。ある日、家の掛け軸から死んだはずの高堂がボートに乗ってあらわれて・・・。自然や異界の者達との交流を通じ、いつしか高堂のことを作品に残したいと綿貫は考えるようになる。

非常にのんびり、ゆったりとした世界が広がる作品である。異界の者達となんの疑問もなく、ユーモラスに交流を深める綿貫。彼の飄々(ひょうひょう)とした雰囲気もこの世界観を構成する重要なパーツとなっている。物語に起伏があるわけではなく、淡々と日々が過ぎていくが、とても心地よく、心に染み渡る日常である。劇中、高堂によっても語られるが、この百年で現代人が手に入れたもの、失ったもの、本当に人は幸福になっているのか・・・。我々の未来を考えさせられるよい作品である。

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